コストパフォーマンスの高さと、自分だけの一台を創り上げられる自由なカスタムオーダーで、近年SNSを中心に大きな注目を集めているELVES(エルヴス)のロードバイク。しかし、その魅力的な価格とデザインの裏で、「一体どこの国のブランドなの?」「いわゆる中華カーボンだけど品質は大丈夫?」といった基本的な疑問から、実際のユーザーによる評判や詳細なインプレのレビュー、そして気になる安い価格の明確な理由まで、購入前にはっきりとさせておきたい点はたくさんありますよね。この記事では、そんなあなたの疑問に全てお答えします。
人気のフレームの種類、例えば空力性能を追求した新型エアロモデルや、今や希少となったリムブレーキモデルの選択肢、特に人気の高い軽量モデル「ヴァンヤール」やエアロロード「エル ファラスエボ」の具体的な重量、乗り味を左右するジオメトリー、さらにはメンテナンス性に関わるBB規格や、一体感を高めるハンドル、ホイールといった専門的な情報に至るまで、ロードバイク初心者の方にも分かりやすく、そして深く掘り下げて解説します。
さらに、エルブスのロードバイク購入を具体的に検討している方のために、失敗しないための購入方法と注意点も徹底的に網羅しました。自分の身体に完璧にフィットさせるためのサイズ表の見方から、公式サイトや国内取扱店での購入プロセスの詳細、多くの人が気になるであろう納期のリアルな実情、そして「完成車」と「バラ完」での組み立ての違いとそれぞれのメリット・デメリットについても詳しく説明します。また、少しでもコストを抑えたい方のために、中古市場での値段相場や、メルカリやヤフオクで安全に使用済み車両を探すための重要なチェックポイントにも触れていきます。この記事を最後までじっくりと読み進めれば、情報に惑わされることなく、自信を持って後悔のないエルブス ロードバイク選びができるようになるでしょう。
- エルブスというブランドの全体像とユーザーからのリアルな評判
- 人気のフレームモデルごとの特徴、重量、ジオメトリーの詳細
- 公式サイトでの注文方法から納期、組み立てまでの流れ
- 新品だけでなく中古品も含めた賢い購入方法と注意点
エルブス ロード バイクの評判と特徴を徹底解説
- どこの国のブランド?評判やインプレをレビュー
- 安い価格とカスタムペイント、カラーオーダー
- フレームの種類と新型エアロ、リムブレーキモデル
- 人気のヴァンヤールとエル ファラスエボの重量
- ジオメトリーとBB規格、ハンドルとホイール
どこの国のブランド?評判やインプレをレビュー
「ELVES(エルヴス)」という、どこか神秘的な響きを持つブランド名。その名前からヨーロッパのブランドを想像する方もいるかもしれませんが、ELVESは台湾に本社を構える、2016年創業の新進気鋭のバイクブランドです。
そのバックボーンには、非常に信頼性の高い経歴が存在します。創業者のDavid氏は、世界最大の自転車メーカーとして知られるGIANTで20年以上にわたり、カーボンフレームの設計・開発責任者を務めた人物です。GIANTといえば、長年トップカテゴリーのレースで戦い続ける、カーボン成形技術の世界的リーダー。そこで培われた最先端のノウハウと技術が、ELVESの製品開発の根幹を成しています。生産は、品質管理のしやすい中国・深圳の自社工場で行われており、設計から製造、品質管理までを一貫して行う体制を構築。これにより、高品質な製品を驚くほどリーズナブルな価格で提供することに成功しています。
いわゆる「中華カーボン」と一括りにされ、品質を不安視する声も稀に聞かれますが、ELVESはそのような懸念を払拭する確かな実績を持っています。多くのフレームモデルが、UCI(国際自転車競技連合)公式サイトの公認機材リストにも掲載されており、公式レースで使用できることが証明されています。国内外のコンチネンタルチームへの機材供給も積極的に行っており、その性能はプロの厳しい要求にも応えうるレベルにあると言えるでしょう。
ユーザーからのリアルな評判とインプレ

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実際のユーザーからの評判に目を向けると、やはり最も多く聞かれるのは「圧倒的なコストパフォーマンス」と「他に類を見ないカスタムペイントの自由度」に対する称賛の声です。大手ブランドであれば倍以上の価格がするであろうスペックのフレームが、10万円台から手に入る点は、多くのサイクリストにとって衝撃的です。
走行性能に関するインプレッションでは、「ペダリングパワーをロスなく推進力に変えるしっかりとした剛性感がある」「エアロモデルは高速巡航が非常に楽」といったポジティブな評価が目立ちます。一方で、「塗装の細部やケーブルホールの仕上げが、ハイエンドな欧米ブランドに比べると少しだけ大味な部分もある」といった、価格相応な点を指摘する声も存在します。しかし、それらを考慮してもなお、支払った金額を大きく上回る満足感と性能を得られるというのが、大多数のユーザーに共通する意見のようです。
総じて、ELVESは「確かな技術的背景に裏打ちされた、驚異的なコストパフォーマンスと所有欲を満たすオリジナリティを両立したブランド」として、賢い選択をしたいサイクリストから絶大な支持を集めています。
安い価格とカスタムペイント、カラーオーダー
ELVESのロードバイクが他のブランドと一線を画し、多くのサイクリストを強く惹きつけている要因は、突き詰めると「圧倒的に安い価格設定」と「常識を覆す自由度の高いカスタムペイントサービス」の二つに集約されます。
主力モデルの多くがフレームセットで10万円台から購入可能。これは、同等グレードのカーボンフレームを大手ブランドで探した場合、30万円以上、時には50万円を超えることも珍しくない市場において、まさに破格の値段と言えます。この驚異的な安さの秘密は、前述の通り、D2C(Direct to Consumer)モデルにあります。
D2Cが実現する低価格の仕組み
従来の自転車業界では、「メーカー → 輸入代理店 → 卸売業者 → 小売店」という複雑な流通経路を辿るのが一般的でした。各段階で中間マージンが発生するため、最終的な販売価格は高騰します。一方、ELVESは設計・製造した製品を公式サイトを通じてユーザーに直接販売することで、これらの中間コストを完全に排除。その結果、高品質な製品を適正な価格で提供できるのです。
そして、ELVESを単なる「安いブランド」で終わらせない最大の魅力が、原則として追加料金なしで利用できるカスタムペイントとカラーオーダーのサービスです。
自分だけのカラーリングのバイクは、全てのサイクリストの夢ですよね。しかし通常、これを実現するにはフレーム購入後にカスタムペイントショップに依頼する必要があり、費用は10万円から数十万円に及ぶことも。ELVESなら、その夢を追加費用ほぼゼロで叶えてくれるのですから、驚きです。
ELVESの公式サイトでは、カメレオンカラーやグラデーション、左右非対称デザインなど、これまでに制作された無数のカスタムペイント事例を閲覧できます。これらの作例を参考にしながら、自分の好きな色を組み合わせ、ロゴのカラーや配置まで指定することで、文字通り世界に一台だけの、あなたの個性を反映したロードバイクを創り上げることが可能です。
カスタムペイントの注意点
デザインの自由度は非常に高いですが、他社のロゴやアニメキャラクターなど、著作権や商標権を侵害する可能性のあるデザインは原則として対応できません。また、あまりにも複雑なグラフィックや特殊な塗装技術を要するデザインは、追加料金が発生するか、あるいは対応不可となる場合があります。具体的なデザイン案がある場合は、オーダー前に日本の公式窓口に問い合わせ、実現可能かどうかを事前に確認することをおすすめします。
この「価格」と「オリジナリティ」という、通常はトレードオフの関係にある二つの要素を高いレベルで両立させている点こそが、ELVESが熱狂的なファンを増やし続けている最大の理由なのです。
フレームの種類と新型エアロ、リムブレーキモデル
ELVESは、ライダーの目的、主なフィールド、そして走りのスタイルに合わせて選べる、専門性の高い多彩なフレームをラインナップしています。それぞれのモデルが持つ個性と特徴を深く理解し、自身の理想とするサイクリングライフに最もマッチする一台を見つけましょう。
ここでは主要なロードバイクおよびグラベルバイクのモデルを、その特性と理想的なライダー像と共に詳しくご紹介します。
モデル名 | カテゴリ | 特徴 | ブレーキタイプ | こんなライダーにおすすめ |
---|---|---|---|---|
Vanyar (ヴァンヤール) | ヒルクライム / 軽量 | ブランド最軽量を誇るピュアクライミングマシン。圧倒的な軽さが武器。 | ディスク / リム | コンマ1秒を争うヒルクライマー、とにかく軽量なバイクを求めるライダー。 |
Falath (ファラス) | エアロ | CFD解析を駆使して設計された空力性能特化モデル。平坦での高速巡航が得意。 | ディスク / リム | 平坦基調のレースや高速サイクリング、トライアスロンに挑戦するライダー。 |
Eglath (イグラス) | オールラウンド | 軽量性、空力、快適性のバランスを追求。あらゆる状況で高いパフォーマンスを発揮。 | ディスクのみ | 特定のコースに特化せず、登りも平坦もこなすバランスの取れた走りをしたいライダー。 |
Quendi (クエンディ) | エンデュランス | 快適性を重視したジオメトリーを採用。衝撃吸収性に優れ、長距離でも疲れにくい。 | ディスク / リム | 100kmを超えるロングライドやブルベ、サイクリングの快適性を最優先するライダー。 |
AEROX MORI | グラベル / オールロード | 最大45mm幅のタイヤクリアランスを持つ。舗装路から未舗装路まで道を選ばない。 | ディスクのみ | グラベルライドやバイクパッキングなど、冒険的なサイクリングを楽しみたいライダー。 |
空力性能を研ぎ澄ませた新型「Falath EVO」
ラインナップの中でも特に注目度が高いのが、フラッグシップエアロロードの「Falath EVO」です。旧モデルからフレーム形状を全面的に見直し、ケーブル類をヘッドセットから完全に内装するシステムを採用。これにより、空気抵抗のさらなる低減と、非常にクリーンで美しいルックスを獲得しました。平坦路での独走やゴールスプリントにおいて、そのエアロダイナミクスは強力な武器となるでしょう。
選択肢として残る希少なリムブレーキモデル
現代のロードバイク市場はディスクブレーキが完全に主流となり、大手ブランドではハイエンドモデルからリムブレーキの選択肢が消えつつあります。しかしELVESでは、軽量ヒルクライムモデルのVanyarやエアロロードのFalathなどで、現在でもリムブレーキ仕様を選択することが可能です。これは非常に重要なポイントです。
リムブレーキには、「ディスクブレーキに比べてシステム全体が軽量」「構造がシンプルでメンテナンスが容易」「既存のリムブレーキ用ホイール資産を有効活用できる」といったメリットがあります。特に、少しでも車体を軽くしたいヒルクライマーや、自分でメンテナンスを行いたいライダーにとって、リムブレーキモデルが選択肢として残されていることは、ELVESを選ぶ大きな動機となり得ます。
人気のヴァンヤールとエル ファラスエボの重量
ELVESの数あるラインナップの中でも、特に人気を二分するのが、最軽量ヒルクライムモデルの「Vanyar(ヴァンヤール)」と、フラッグシップエアロロードの「Falath EVO(ファラスエボ)」です。この二つのモデルは、設計思想が大きく異なるため、それぞれの公称重量と、その数値が実際の走行にどう影響するのかを詳しく見ていきましょう。
Vanyar(ヴァンヤール) – 軽さが絶対的な正義のクライマー
Vanyarは、ELVESの技術の粋を集めて作られた、登坂性能を極限まで追求した軽量モデルです。その最大の武器は、フレーム単体の圧倒的な軽さにあります。
公式サイトの公称値によると、Vanyar Pro Disc(ディスクブレーキモデル)の塗装済みフレーム重量は、47サイズでわずか870g。これは、数十万円以上する他社のハイエンド軽量フレームに匹敵、あるいはそれをも上回る驚異的な数値です。フォークや専用シートポストを含めたフレームセット全体でも非常に軽量であり、組み合わせるパーツによっては、UCI(国際自転車競技連合)が定める最低重量6.8kgを大幅に下回る超軽量バイクを組み上げることも夢ではありません。
この軽さは、ヒルクライムでの重力との戦いにおいて直接的なアドバンテージとなることはもちろん、ゼロからの加速や細かな速度変化が要求されるクリテリウムのようなレースでも、鋭い反応性としてライダーを助けます。「とにかく軽いバイクが欲しい」「坂道を少しでも楽に、そして速く登りたい」と願うライダーにとって、Vanyarは最高のパートナーとなるでしょう。
Falath EVO(ファラスエボ) – 空力を味方に高速を維持するスプリンター

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一方、Falath EVOは、空気抵抗という見えない壁との戦いに勝つために生まれたエアロロードです。フレームの各チューブは、翼断面形状(カムテール形状)に最適化されており、平坦路や緩やかな下り坂で高速巡航する際に、その真価を最大限に発揮します。
空気抵抗を削減するためのフレーム形状は、必然的に表面積が増え、重量面では不利になります。Falath EVOのフレームセット(フレーム、フォーク、シートポスト、一体型ハンドル)の公称重量は、サイズにもよりますが約2.2kgからとなっており、Vanyarと比較すると重くなります。しかし、これは同カテゴリーの他社製ハイエンドエアロロードと比較しても遜色のない、むしろ軽量な部類に入る数値です。
重要なのは、時速30km/hを超えたあたりから、重量の不利を補って余りあるほどの空力的なアドバンテージが生まれる点です。一度スピードに乗せてしまえば、Vanyarよりも少ないパワーで速度を維持することが可能になります。平坦なコースがメインのエンデューロレースや、単独で風と戦う時間の長いトライアスロンなどでは、Falath EVOがもたらす恩恵は計り知れないものとなるでしょう。
ジオメトリーとBB規格、ハンドルとホイール
ロードバイクの性能や乗り心地を決定づけるのは、目に見えるデザインや重量だけではありません。フレームの寸法設計である「ジオメトリー」や、心臓部を支える「BB規格」、そして操作性を司る「ハンドル」や「ホイール」といった各要素の理解を深めることが、最適な一台を選ぶための鍵となります。
乗り味を決定づける「ジオメトリー」
ジオメトリーとは、フレームを構成する各チューブの長さや角度のことで、バイクのキャラクターを根本から決定づける設計図です。ELVESは、モデルの目的に合わせてジオメトリーを最適化しています。
- レース志向モデル (Vanyar, Falath): これらのモデルは、「リーチ」が長く、「スタック」が低いアグレッシブなジオメトリーを採用しています。これにより、深い前傾姿勢を取りやすく、空気抵抗の削減とパワフルなペダリングを両立させます。プロ選手のような低いポジションを求める競技志向のライダーに適していますが、乗りこなすにはある程度の体の柔軟性が必要です。
- エンデュランスモデル (Quendi): こちらは逆に、リーチが短めでスタックが高い、リラックスしたジオメトリーです。上半身が起き上がった楽な姿勢で乗ることができるため、首や腰への負担が少なく、長距離を快適に走ることに主眼が置かれています。
公式サイトには全モデルの詳細なジオメトリー表が公開されています。購入前には必ず、自分の体格や柔軟性、目指すライディングスタイルと照らし合わせて、数値をじっくりと比較検討することが極めて重要です。
高メンテナンス性と信頼性の「BB規格」
BB(ボトムブラケット)は、ペダリングの力をフレームに伝えるクランク軸を受け止める重要なパーツです。ELVESの近年のディスクブレーキモデルでは、信頼性の高いねじ切り式規格「T47」が積極的に採用されています。
かつて多くのカーボンフレームで採用されていた圧入式BB(プレスフィット)は、軽量化に貢献する一方で、フレームとの公差によっては「パキパキ」「ギシギシ」といった不快な音鳴りの原因となりやすいデメリットがありました。T47規格は、大径ベアリングによる高剛性と、確実な固定ができるねじ切り式のメリットを両立させた、いわば「良いとこ取り」の最新規格。これにより、音鳴りのリスクを大幅に低減し、メンテナンス性も格段に向上させています。
統一感と性能を高める「ハンドル」と「ホイール」
ELVESはフレームだけでなく、「OROME(オロメ)」という自社コンポーネントブランドも展開しており、ハンドルやホイールを開発・販売しています。
特に、ブレーキホースやシフトケーブルを完全に内装できるOROMEの一体型カーボンハンドルは、フレームと同時に購入するユーザーが非常に多い人気パーツです。フレームと一体で設計されているため、空力性能の向上はもちろん、見た目にも非常にスマートで統一感のあるコックピット周りを実現できます。
ホイールも同様に、OROMEブランドで様々なリムハイトのカーボンホイールが用意されており、いずれも高いコストパフォーマンスを誇ります。フレーム、ハンドル、ホイールをELVES(OROME)で統一することで、性能、デザイン、そしてコストの全てにおいて、非常にバランスの取れたパッケージとしてバイクを完成させることが可能です。
エルブス ロード バイクの購入方法と注意点
- サイズ表で見る自分に合ったサイズの選び方
- 購入方法と取扱店、気になる納期について
- 完成車とバラ完の組み立てはどうする?
- 中古の値段は?メルカリやヤフオクで使用済みを探す
- まとめ:後悔しないエルブス ロード バイク選び
サイズ表で見る自分に合ったサイズの選び方

ロードバイクの世界:イメージ
自分に最適なフレームサイズを選ぶことは、ロードバイクの性能を100%引き出し、何よりも快適で安全なサイクリングライフを送るための、絶対に妥協できない最も重要なステップです。どんなに高性能なバイクでも、サイズが身体に合っていなければ、本来のパフォーマンスを発揮できないばかりか、膝や腰、首などに痛みを引き起こし、怪我の原因にさえなりかねません。
ELVESのロードバイクを検討する際には、公式サイトに掲載されている各モデルの「サイズ表(推奨身長)」と、より詳細な「ジオメトリー表」の二つを熟読することが不可欠です。
失敗しないためのサイズ選び基本ステップ
- 身体の寸法を正確に測定する: 全ての基本となるのが、自分の身体の正確な寸法です。まずは壁を背にして直立し、身長を測定します。次に、足を肩幅程度に開いて立ち、股の間に硬く厚みのある本などを挟み、床から本の上面までの高さを測ります。これが「股下長」です。これらの数値が、サイズ選びの客観的な基準となります。
- 公式サイトのサイズ表で目安を付ける: ELVES公式サイトの各モデルのページには、身長に応じた推奨フレームサイズが記載された表があります。まずはこの表を使い、自分の身長がどのサイズに該当するのか、大まかな目安を把握します。
- ジオメトリー表で乗り味をイメージする: 次のステップが最も重要です。ジオメトリー表に記載された「リーチ」(BB中心からヘッドチューブ上端中心までの水平距離)と「スタック」(BB中心からヘッドチューブ上端中心までの垂直距離)という二つの数値を確認します。リーチは上半身の伸び具合(遠さ)、スタックはハンドルの高さに直結し、この二つのバランスが乗車姿勢を決定づけます。現在乗っているバイクがある場合は、そのジオメトリーと比較することで、より具体的な乗り味の違いをイメージしやすくなります。
サイズ選びで絶対にやってはいけないこと
サイズ選びで少しでも不安や迷いがある場合、「多分これくらいだろう」といった憶測や、「身長が近いあの人と同じサイズで」といった安易な判断で決めてしまうのは絶対に避けてください。骨格や手足の長さ、体の柔軟性は人それぞれ全く異なります。
理想的なのは、専門知識を持つプロショップで有料のフィッティングサービスを受け、自分の理想的なリーチやスタックの数値を把握することです。それが難しい場合でも、ELVESの日本の正規代理店に自分の身体測定値とライディング経験を伝えて相談するなど、必ず専門家の意見を求めるようにしましょう。特にロードバイクが初めての方は、このステップを省略してはいけません。
適切なサイズを選ぶことは、投資を無駄にせず、最高のロードバイク体験を手に入れるための、最も確実な近道です。
購入方法と取扱店、気になる納期について

ロードバイクの世界:イメージ
ELVESのロードバイクは、多くの大手ブランドのように全国の自転車店で気軽に購入できるわけではなく、少し特殊な購入方法となります。事前にそのプロセス全体をしっかりと把握しておくことで、疑問や不安なく、スムーズにオーダーから納品までを進めることができます。
ELVESバイクの主な購入方法
現在、ELVESのバイクを新品で購入する方法は、主に以下の2つです。
- ELVES JAPAN 公式サイトからの直接購入: これが最も一般的で、カスタムオーダーの自由度を最大限に活かせる方法です。公式サイトの各モデルのページから、希望のフレーム、サイズ、標準カラーまたはカスタムペイントを選択し、カートに入れて注文手続きを進めます。決済方法はPayPalを介したクレジットカード払いが基本となり、海外決済の扱いとなる点に注意が必要です。
- 国内の正規取扱店での購入: 数はまだ限られていますが、日本国内にもELVESの正規取扱店が存在します。これらの店舗では、専門スタッフと直接相談しながらモデルやサイズを選べるほか、店舗によっては試乗車や展示車が用意されている場合もあります。組み立てからアフターサービスまで一貫して任せられるため、特にロードバイク初心者の方にとっては非常に安心感の高い選択肢と言えるでしょう。
公式サイトでのカスタムペイント注文プロセス
公式サイトでカスタムペイントを希望する場合、注文手続きの際に表示される備考欄に「カスタムペイント希望」と明記し、希望するデザインのイメージ(参考画像のURLや具体的な色の組み合わせなど)を記入します。注文確定後、ELVESの担当者からメールやSNSを通じて連絡があり、そこから詳細なデザインの打ち合わせがスタートします。送られてくるデザイン案を元に修正や要望を伝え、最終的なデザインが確定した時点でフレームの生産が開始される、という流れになります。
多くの人が気になる「納期」について
ELVESのロードバイクを検討する上で、必ず理解しておくべきなのが、製品が基本的に全て受注生産であるという点です。これは、膨大な組み合わせが存在するカスタムオーダーに対応しつつ、無駄な在庫を抱えないことで低価格を実現するためのビジネスモデルです。
そのため、注文ボタンを押してから製品が自宅に届くまでには、相応の時間が必要となります。
具体的な納期は、注文時期、工場の混雑状況、そしてカスタムペイントのデザインの複雑さによって大きく変動しますが、一般的にはデザイン確定から発送まで1ヶ月半〜3ヶ月程度が目安とされています。世界的に注文が集中するブラックフライデーの時期や、旧正月の前後などは、さらに時間がかかる可能性もあります。「次のシーズンのレースに間に合わせたい」といった明確な目標がある場合は、十分な余裕を持ってオーダーすることが肝心です。しかし、自分だけの一台が地球の裏側で生み出されている過程を想像しながら待つ時間も、オーナーになるための特別な楽しみの一つと言えるかもしれません。
完成車とバラ完の組み立てはどうする?

エルブス:公式
ELVESの製品ラインナップには、シマノのコンポーネントや自社ブランドOROMEのホイールで組まれた「完成車」も存在しますが、多くのユーザーが選択するのは、フレーム、フォーク、シートポスト、場合によっては一体型ハンドルなどがセットになった「フレームセット」での購入です。
これは、フレームセットで購入した方が、自分がこだわりたいパーツ(コンポーネント、ホイール、サドルなど)を自由に選択でき、結果としてより満足度の高い一台を組み上げられるためです。しかし、そのためには購入者自身が組み立ての問題をクリアする必要があります。その方法は、大きく分けて二つの選択肢に集約されます。
1. 専門ショップに組み立てを依頼する(最も安全かつ推奨される方法)
ロードバイクの組み立て、特にケーブル類が完全内装される最新のフレームでは、専門的な知識、技術、そして特殊な工具が不可欠です。最も安全で確実な方法は、信頼できるプロショップに組み立て作業を依頼すること。いわゆる「バラ完(パーツをバラバラの状態から組み上げること)」に対応してくれるショップを探し、フレームセットを持ち込んでの組み立てを相談しましょう。
プロショップに依頼する計り知れないメリット
- 絶対的な安全性: ブレーキの制動力、変速のスムーズさ、各ボルトの適切なトルク管理など、安全走行に直結する全ての要素をプロの目で確実に行ってもらえます。
- 最適なパフォーマンス: パーツの性能を100%引き出す精密な調整はもちろん、ライダーの体格や柔軟性に合わせたポジションの初期設定についてもアドバイスがもらえます。
- 充実したアフターサービス: 組み付け後のワイヤーの初期伸びによる再調整や、定期的なメンテナンスなど、購入後も長く付き合える関係を築くことができます。
組み立て工賃はショップの規定や作業の複雑さによって異なりますが、一般的には3万円〜5万円程度が相場です。この費用は、安全と安心、そしてバイクの性能を最大限に引き出すための「保険」と考えれば、決して高い投資ではありません。
【最重要】ショップの事前確保: フレームを注文する前に、必ず組み立てを依頼するショップを見つけておくことが重要です。ショップによっては、他店購入品や持ち込みフレームの組み立てを受け付けていない場合や、通常よりも高い工賃が設定されている場合があります。事前に電話などで「ELVESというブランドのフレームセットを購入予定なのですが、持ち込みでの組み立てはお願いできますか?」と確認し、快く引き受けてくれるショップを確保してから注文に進みましょう。
2. 自分で組み立てる(豊富な経験と工具を持つ上級者向け)
自転車の分解・整備に関する深い知識と豊富な経験、そして何よりも必須工具である「トルクレンチ」を始めとする専用工具一式を所有している場合は、自分で組み立てるという選択肢もあります。自分の手で一台のバイクをゼロから創り上げる過程は、何物にも代えがたい喜びと達成感をもたらしてくれるでしょう。しかし、それは相応のリスクと隣り合わせであることを忘れてはなりません。
少しでも作業に不安を感じる部分がある、あるいは工具が揃っていない場合は、無理をせずプロに任せるのが賢明かつ安全な判断です。あなたの命を乗せる機材であることを、常に心に留めておいてください。
中古の値段は?メルカリやヤフオクで使用済みを探す

ロードバイクの世界:イメージ
「少しでも初期投資を抑えてELVESのロードバイクを手に入れたい」「今はもう手に入らない旧モデルや、特定のカラーリングが欲しい」といったニーズがある場合、中古市場に目を向けてみるのも賢い選択肢の一つです。メルカリやヤフオクといったフリマアプリやネットオークションでは、個人が出品した使用済みのELVESバイクのフレームセットや完成車が見つかることがあります。
中古市場における値段のリアルな相場観
中古品の価格は、モデル、年式、パーツ構成、そして何よりもフレーム本体のコンディションによって大きく変動します。あくまで目安ですが、以下のような価格帯で取引されることが多いようです。
- フレームセット: 大きな傷や修復歴のない、状態の良いものであれば、新品価格の6割〜8割程度(5万円〜12万円前後)が一般的な相場です。希少なカラーや人気のサイズは、やや高値で取引される傾向にあります。
- 完成車: 組み付けられているコンポーネントやホイールのグレードに価格が大きく左右されます。Shimano 105クラスで組まれた完成車であれば15万円〜25万円、Ultegra以上のグレードや高価なカーボンホイールが装着されている場合は30万円以上で取引されることも珍しくありません。
ELVESの最大の特徴であるカスタムペイントは、中古市場でもユニークな価値を生み出します。他の誰とも被らない、思わぬ「掘り出し物」デザインのバイクが出品されていることも。自分の感性にぴったり合う一台が見つかれば、新品でオーダーするよりも短納期かつ安価に、理想のバイクを手に入れられるチャンスがあります。
後悔しないための中古購入チェックリスト
個人間取引で中古のロードバイク、特にカーボンフレームのものを購入する際には、新品購入時とは比較にならないほど慎重な確認が求められます。以下の点を必ずチェックし、リスクを最小限に抑えましょう。
【最重要】カーボンフレームの健全性
最も重要なのが、フレームにクラック(ひび割れ)や修復歴、深い傷がないかを確認することです。写真はあらゆる角度から、なるべく高画質のものを提供してもらい、少しでも怪しい影や線が見えたら、ためらわずに質問して詳細な写真を追加してもらいましょう。特に、転倒時にダメージを受けやすいチェーンステー、シートステー、フォーク、BB周りは入念な確認が必要です。「転倒歴や立ちゴケの有無」は必ず質問してください。
サイズが本当に自分に合っているか
魅力的なデザインや価格に目がくらみ、サイズの確認を怠るのは致命的です。出品情報に記載されているフレームサイズ(例: 49, 52など)が、自分の体格に本当に適しているのかを、公式サイトのジオメトリー表と照らし合わせて再確認してください。
消耗品の摩耗度と交換の必要性
タイヤ、チェーン、スプロケット、ブレーキパッドといった消耗品の状態も重要な確認ポイントです。これらのパーツが寿命に近い場合、購入後すぐに数万円単位の追加出費が発生する可能性があります。「チェーンの伸びはどのくらいですか?」「タイヤの走行距離は?」など、具体的な質問を投げかけると良いでしょう。
保証の有無
ELVESが提供している5年間のフレーム保証は、原則としてファーストオーナー(最初の購入者)のみが対象です。中古で購入した場合、この保証は引き継がれないことを理解しておく必要があります。
フリマアプリなどを利用する際は、出品者の過去の取引評価を参考にしたり、高額商品向けのあんしん鑑定サービスを利用したりするなど、慎重に取引を進めることが、満足のいく中古購入への鍵となります。
まとめ:後悔しないエルブス ロード バイク選び

エルブス:公式
この記事では、ロードバイク市場で急速に存在感を増している注目ブランド「ELVES(エルヴス)」について、その魅力の核心から具体的な購入方法、そして賢い選択をするための注意点まで、あらゆる角度から徹底的に解説してきました。最後に、あなたが後悔しない最高の一台を選ぶための、最も重要なポイントをリスト形式でまとめます。
- ELVESは台湾に本社を置きGIANTの元開発責任者が設立した信頼性の高いブランド
- 設計から製造・販売まで一貫して行うD2Cモデルで驚異的な低価格を実現
- ユーザーからの評判はコストパフォーマンスの高さとデザインの自由度で極めて良好
- 最大の魅力は追加料金なしで世界に一台のバイクが作れるカスタムペイント
- 豊富なカラーパレットから自分だけのオリジナルデザインをオーダーすることが可能
- ヒルクライムに特化するなら最軽量モデルの「Vanyar(ヴァンヤール)」が最適
- 平坦での高速巡航性能を求めるならフラッグシップエアロの「Falath EVO」が最良の選択
- 今や希少となったリムブレーキ仕様のフレームを選べる点も大きなメリット
- BB規格は音鳴りしにくく整備性に優れるねじ切り式の「T47」を積極的に採用
- 購入は公式サイトからの受注生産が基本となり、国内に少数の正規取扱店も存在する
- 納期は受注生産のためカスタムデザイン確定後1ヶ月半から3ヶ月程度が標準的な目安
- サイズ選びは公式サイトのジオメトリー表、特にリーチとスタックの確認が絶対に不可欠
- 組み立ては安全と性能を最大限に引き出すため専門知識を持つプロショップへの依頼を強く推奨
- メルカリやヤフオクで中古を探す際はフレームのクラックやダメージの有無を最優先で確認すること
- 価格、性能、そして所有欲を満たすオリジナリティの全てを高い次元で満たす稀有な選択肢である